泊まれる本屋「BOOK AND BED TOKYO」に泊まってみた


本はもちろん、外泊が好きな中筋です。
出版やデザインな人たちの間で少し話題になっていた、泊まれる本屋「BOOK AND BED TOKYO(ブックアンドベッド東京)」が正式にオープンしました。
面白そうと思うのと同時に、いったいどんなものだろうとこの目で見たくなったので、オープン初日の11/5に池袋へ行って早速泊まってきました。
Facebookでレポート希望いただいたので、さらりとレポートしたいと思います。

 

ロケーション

池袋駅西口すぐで1、2分で着きます。飲食店が入った雑居ビルにあるので、一瞬ここ?と思いますが、よく見ればちゃんと看板も出ています。
アクセスは抜群にいい場所で、まわりに飲食店が多数あります。
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レセプション

BOOK AND BED TOKYOはビルの7階ワンフロアなのですが、エレベーターを降りると、ロックのかかった扉と壁のみ!? 人がいません。
見ると呼び鈴があり、それをチンと鳴らすと、壁の板が開いてそこがレセプションカウンターとなる仕組みでした。
ちょっと驚きましたが、隠された空間といった印象を生み出す演出ですね。
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扉の中の様子

私が、チェックインしたのは9時ぐらいでしたが、すでに10数名ほどお客さんが来ている状態(最大キャパは30名)で、それぞれ共用スペースのソファに座って、思い思いの本を読んでたりしていました。
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全体としては、雑協ビルのワンフロアなのでやや手狭ですが、雑然としたり詰め込みの印象はなく、ちゃんとデザインされた空間です。
本棚 兼 棚ベッドはウェブの写真で見たとおりの木目仕上げ。
お客さんたちは皆さん、はしゃいだりせず落ち着いた方々といった印象でした。
音楽がかかっていますが図書館的な静けさがあります。
池袋西口にこんな場所があるなんてと思わせる、建物の外とは別空間に仕上がっています。
消灯はなく、時間に応じてライトの明るさを落とすようにしているとのこと。
本を読むのと灯りの明るさの兼ね合いは難しいようで、スタッフの人に「明るさ、どうですか?」と聞かれました。
確かに少し暗いかも、と答えると、今後ライトを再考するとのことでした。
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出入りの時間制限はなく、近所にコンビニがあるので買ってくることはできますが、食事をするテーブルなどはないのでソファの上で軽く食べるする程度でしょう。
池袋の駅近くなので、夜遅くまでやっているお店はたくさんあるので、外に出れば食事に困ることはそんなにないと思います。

 

ベッド

私が泊まったベッドは上段で、ハシゴを登って入り込みます。穴ぐらに入る感じですが、個人的に狭い空間が好き派なので、嫌いじゃないです。
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天井とベッドの間は抜けていて、体をぐいと起こせば隣のベッドが見えてしまいますが、座っている or 寝ている限りは視界のプライベートスペースが保たれています。(音に関してはのちほど……)

 

本棚

「泊まれる本屋」というコンセプトのBOOK AND BED TOKYOですが、「本屋」というのはあくまでコンセプトで、本を販売しているわけではありません。
棚の本のセレクションは、Shibuya Publishing and Booksellersさん。
渋谷にオープンした時に、デザインを中村拓志さんが担当したので雑誌で取り上げさせてもらったことがあります。
さすが気になる本がいっぱいありました。
一部をご紹介します。
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武田さんの「TO MAGAZINE」とか。
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企画の参考資料になりそうな本とか。
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さすが水野さん、いいこと言うなあ、とか。
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チューリングとパズルってすごい面白そう!だったりとか。

表紙、タイトルレベルで刺激を受ける本を多数発見できました。

 

共用施設

さきほども書いたように、共用スペースには大きなソファーがあり、そこに座って(というより足ごと乗って)本を読んだり、PCやスマホをいじったりできます。フロア内はWi-Fiあり。
窓の景色も意外と悪くないです。
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共用スペースの一角には、カセット式のコーヒーメーカーやトースター、ポットがあります。コーヒーのカセットは、レセプションで1個150円なり。
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それ以外にはエレベーターの前に飲み物の自動販売機がありますが、ほかに飲食物を提供するサービスはありません。
トイレとシャワールームは共用です。
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就寝時の音について

気になるのは、やはり夜中のいびきや話声だと思いますが、それはあります。
実際、隣のベッドの人がそこそこグビーグビーと鳴らしているのを朝がた聞きましたし、どこかでしゃべり続けている人の声も聞こえました。
私はそういうの全然平気なので大丈夫でしたが、音がすると眠れないという人にはお勧めしません。
まあ、これはサウナだろうが、カプセルホテルだろうが同じですね。
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まとめ的な感想

結論から言うと、夜中多少うるさくても平気な人なら泊まるのありだと思います。
面白い本と出会えて、落ち着いた雰囲気の場所に手ごろ価格で泊まれますから、これはこれで貴重かと。
かつては本との出会いの場だった、「こだわりの店主がやっている書店」が減りつつあったりといった現状を考えると、新しい本との出会いの場としては、「お泊まり」と「本棚」の組み合わせは非常に効果的だと思います。
本の販売は行っていないということですが、今後、販売も手掛けてほしいなと出版側の立場からは思いました。
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純粋な宿泊施設としては、良くも悪くもドミトリー(といっても、私は十数年以上前のインドのドミトリーしか知らないのですが)。
とりあえず、オープン初日に泊まった感じでは、宿泊者同士の交流とかはありませんでした。
皆さん、さすが本好きといった感じで、それそれの読書体験を大事にしているようでした。
スタッフの方は、とても親切でいろいろ話しかけてくれるので不安になるようなことはありませんでした。
ほかに気になるところは、持ち物のセキュリティ、火災時に脱出経路など、どうなってるのかなという点はありました。
あと男性と女性が区切りなく泊まるので、女性側から見てどうでしょうか。
リピートするには、本の入れ替えか、なにかイベントがあるか、などきっかけがあれば泊まってみたいと思いました。
以上です!
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<追記>
この記事を書いたオープン当初は、フロア内に食事をする場所がなかったので、あくまでコンセプトどおり「泊まれる本屋」という感じでした。
もう少し飲食ができたりすれば「泊まれるブックカフェ」みたいになってもいいかも、と思っていたのですが、2017年1月にBOOK AND BED TOKYO池袋がリニューアルしたとのこと。
ワンフロア増床して、Barができたようです!
近々チェックしに再訪問してみたいと思います!